酒飲亭いさんの落語ごろごろノート

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zoom RSS 馬生の「目黒…」のいいところ

<<   作成日時 : 2014/10/12 01:38   >>

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馬生の噺を聞いていると、
志ん生を彷彿とさせるところが所々にある。
声の質が似ている、って親子だから当然なのだが、
しゃべり方もそっくりな時がある。
ぼーっとして聞いていると、一瞬、
志ん生を聞いている錯覚に陥ることがある。

同じ親子でも、志ん朝だとそういうことはない。
声質も若干違うようだ。
彼の際立った特徴は早口だと思う。
一般に噺家さんは早口だが、
彼は二割方は多くしゃべってる。
恐ろしいのは、聞いてるときには、
早口だと気付かないところ。
マネをしてみて、はじめてとんでもない早口に気付く。
気付かせない早口なら名人と言えるのかもしれない。

馬生の噺は、弟ほどのテンポの良さはない。
でもこのテンポは生理的に心地いい。
「目黒…」という噺自体が、
馬生のリズムにあっている、
というより彼がそう作り上げたのだと思う。
緩急もあって、強弱もあって、それが笑いに結びついている。

噺家さんは、自分のしゃべり方のベースの上に、
物語を築いていく訳ですが、
そこで問われるのは、
大きく言えばやっぱり人間性なのだと思う。
馬生が心地良く聞こえるのは、
優しさがかれの噺に感じられるせい。
「目黒の秋刀魚」という噺は、煎じ詰めれば、
世間知らずの殿様を笑う話なのだが、
彼の演じる殿様には好感が持てる。
もちろん、駄々っ子で毒にも薬にもならない人物なのだが、
自分を殺すことを知っている。
自分の感情を出してしまえば、
家来の一人が罪を着なければならない。
だから、そういうことは口にしない。
なんと、いじらしいじゃありませんか。

弁当を持たない腹を空かせた主従が、
松の根方に座り込んで、
澄み切った秋晴れの空を見上げています。
トンビがピーヒョローと輪を描いて…
「欣也、あのトンビは弁当を食したであろうか」
「…おいたわしゅうございます」

泣かせる場面です。
文句を言いたい殿様ですが、それは言えない。
ご家来もそれが分っているだけに…
それほど深刻になる必要はありません。
笑っていいところです。
この情けなさ。バカバカしいやり取り。
でも、こういうところがちゃんと描けて、
秋刀魚の美味さが引き立つわけです。

まあ、とにかく馬生の「目黒の秋刀魚」はいいですよ。

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